競馬のお話…。
「名馬」になれる条件というと…。
「突き抜ける脚」を持つこと。
だと自分は思っている。
ディープインパクト…グラスワンダー…テイエムオペラオー…アグネスタキオン…エアグルーヴ…。最近ではブエナビスタにウオッカ…。すべてその条件に当てはまる。
そして、その「名馬の条件」を満たす馬が出現した。
カンパニー
である。
この秋、毎日王冠、天皇賞ではウオッカを破り待望のGⅠ制覇。引退レースになったマイルチャンピオンシップでも勝利で飾り、みごとな花道となった。
自分はこの馬は当初「GⅡ馬」や「GⅠの善戦マン」というキャッピコピーがせいぜいお似合いと思っていた…。事実去年も天皇賞、マイルチャンピオンシップとも4着。2007年にもマイルチャンピオンシップでも5着。今年も安田記念、宝塚記念は4着。GⅡでは中山記念2連覇(2008年、2009年)や読売マイラーズカップ優勝(2008年)などGⅡの勲章がいくつかあるが…GⅠでは掲示板に乗るのが精いっぱい…。そんな馬が今年8歳の秋に大激変を見せた。
まず10月11日東京競馬場で行われたGⅡの毎日王冠。逃げたウオッカがそのまま粘るかと思われたゴール前…「突き抜ける脚」で快勝。ただ、この段階ではウオッカの休み明けという見方が多かった、
そして、11月1日同じく東京競馬場で行われたGⅠ天皇賞…カンパニーは5番人気。しかしその天皇賞でも中団に付けたカンパニーはここでも直線「突き抜け」待望のGⅠ制覇を飾った。8歳でのGⅠ制覇はJRA史上初のこと。
陣営はマイルに最後の活路を求めた。11月22日京都競馬場で行われる、GⅠマイルチャンピオンシップ。逃げるマイネルファルケとキャプテントゥーレの2頭が先頭で直線へ…ここでも「突き抜ける脚」は健在だった。馬場の中央をついて残り150メートルくらいで先頭。そのままゴールイン。最後の花道もカンパニーらしい勝利だった。
この馬は他の名馬より何がすごいかというと8歳の秋に「突き抜ける脚」を持ったこと。人間であれば35歳から40歳。普通の馬であればとっくに引退している。今の「馬の科学」の発達はもちろんだが…大きな故障もなく最後の最後まで無事に走らせることができたスタッフには1ファンであるが頭が下がる思いだ。
35戦12勝GⅢ2勝、GⅡ3勝、GⅠ2勝。総獲得賞金は9億3969万8000円。この馬も最後の最後に名馬の1頭としてあげられる1頭になったような気がする。