先日6日に日本武道館で観戦してきた。試合開始前…客の入りは7割程度…。前回の武道館(三沢さんの追悼興行)はほぼ満員だったが…やはり他団体の選手の参戦がないと客の入りは鈍い…。
そんな中の試合開始…。
第一試合・30分1本勝負
橋誠VS谷口周平
橋●(10分38秒・ジャーマンスープレックスホールド)○谷口
…谷口が見事に「先輩超え」を果たした。試合は「意地の張り合い」になったが、谷口は「驀進10番勝負」でパワーのある選手と闘ってきた経験の差だろう。しかし、なかなか第一試合から場内が盛り上がった一戦となった。
第二試合・30分1本勝負
田上明・佐野巧真・泉田純至・菊地毅VS小川良成・志賀賢太郎・川畑輝鎮・平柳玄藩
佐野○(13分47秒・ノーザンライトボム→体固め)●平柳
…昔全日本でやっていた「ファミリー軍団VS悪役商会」的な試合で全体的にほのぼのした雰囲気が漂っていた。その中でも田上社長の「悪乗り」っぷりが面白く、場内の爆笑を誘っていた。しかし、その中でも今シリーズから復帰した佐野が元気だ。またタイトル戦線に戻ってほしいと思わせるファイトぶり。最後は菊地が試合後のアピールの時間が長くあわてて花道に戻っていたのを泉田があわてて戻しているのが妙に受けた。タイトル戦もいいけど、こういったタッグマッチがあってもいいものだ。
第三試合・30分1本勝負
小橋建太・本田多聞・伊藤旭彦VSバイソンスミス・クリスヒーロー・エディ・エドワーズ
小橋○(15分43秒・剛腕ラリアット→体固め)●エドワーズ
…小橋が休憩前の第三試合に登場。いささかもったいないような気がする。本来ならばタッグタイトル戦に出場するはずだったのだが、秋山の欠場でここに組み込まれたが、小橋はやはり客を引き付ける何かを持っているレスラーだ。「絵になる」というのはまさしくこのことだろう。最後もエドワーズへのラリアットで締めてくれた。一方外国人陣営ではクリスヒーローの身体能力の高さ…バリエーション豊富なエルボー攻撃やケブラーダを見せるなど、今後試合を重ねれば面白い存在になるかもしれない。
第四試合・丸藤正道復帰戦・青木篤志“閃光十番勝負”第9戦・45分1本勝負
丸藤正道VS青木篤志
○丸藤(17分21秒・タイガーフロージョン→体固め)●青木
…結論から言うと…「丸藤は天才」だということ。青木の執拗なほどの腕攻めも見事だがそれらを凌駕する丸藤のファイトぶり。ヒザのケガでの欠場あったがスピードも取り戻していた。フィニッシュは実際に見ていて単なるタイガードライバーかと思わせておいて三沢さんの得意技エメラルドフロージョンに行く変形技。ここも丸藤の天才ぶりを見せつけた技だった。
第五試合・GHCジュニア・ヘビー級タッグ選手権試合・60分1本勝負
金丸義信・鈴木鼓太郎(王者)VS 石森太二・リッキーマルビン(挑戦者)
○鼓太郎(22分26秒・ローリングエルボー→片エビ固め)●マルビン
※金丸・鼓太郎組は6度目の防衛に成功。
…鼓太郎・マルビンの決着戦という印象が強かったこの試合。やはり最後はこの2人で決まった。マルビンの敗因として勝負を焦ったのかもしれない。毒霧はかわされ、サンタマリアを返された。ここで得意技を出し切ったマルビンには返せる手がなかった。最後は鼓太郎のローリングエルボー。最後までエルボーにこだわった鼓太郎の勝利。この2人はジュニアタッグの「絶対王者」を予感させる勝利だった。
セミファイナル GHCタッグ選手権試合・60分1本勝負
佐々木健介(健介オフィス) ・森嶋猛(王者)VSモハメドヨネ・力皇猛(挑戦者)
●森嶋(26分40秒・頭部へのキックの連打→片エビ固め)ヨネ○
※DIS OBAYが第19代王者を獲得。
…この試合はこの興行の「ワースト試合」。タイトルは交代したもののヨネ・力皇組に試合中には罵声が飛んでいた。あまりにも2人のファイトはふがいなさすぎた。勝ったのも森嶋が手を怪我しており、そこを攻めたからでの勝利。攻撃は単発…休む時間が長すぎ…これで王者を獲って大丈夫か?と思わせる試合だった。一方の敗れたものの佐々木、森嶋組は安定したタッグチーム。特に森嶋にはあっぱれだった。一時期は技を受けすぎるところがあって間延びした試合が多かったが、今日は大きな体をフルに使っていた。今後も佐々木・森嶋組には注目したいと思わせた。
試合後、DIS OBAYにはブーイングが飛んでいた。このブーイングが試合内容でだけでなくヒールでのブーイングに変わった時、この2人は本当のチャンピオンになれるだろう。
メインイベント GHCヘビー級選手権試合・60分1本勝負
潮崎豪(王者)VS杉浦貴(挑戦者)
潮崎●(24分39秒・雪崩式オリンピック予選スラム→片エビ固め)○杉浦
※杉浦が第19代王者を獲得。
…今年最後の武道館のメインを飾ったのは杉浦だった。若い潮崎とのパワー勝負。勝負のカギは10分過ぎ、エプロンからのサイドスープレックスと20分前の潮崎の完璧までのゴーフラッシャーをカウント2で返したことだろう。ここからは杉浦の波状攻撃だった。勝負所をついた杉浦がお見事な勝利。最後のインタビューも良かったし、リング上でバク転まで見せてくれた。「みんあが幸せになれる勝利」といっても過言ではない。いい雰囲気だった。
この興行全体的に見て、クオリティーの高い興行だった気がする。やはり、メインがいいと全体が締まった感じがする。残念ながら武道館は満員とは行かなかったが…こういったクオリティーを保つことができれば、プロレスの復興もそうそう先ではないことを感じさせてくれた。
今後、NOAHは来年1月4日の新日本・東京ドーム大会で新日本との全面対抗戦が噂されているがそれよりも団体内の試合内容をあげること、選手層を厚くすることを先決にしてほしいが…対抗戦があっても面白いとは思う。今後のNOAHには注目したい。